レアメタル、独り勝ち中国と"無教養"日本:日経ビジネスオンライン - 2 views
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豪州を買い漁る中国
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タンタルでは世界一の生産量を誇る豪州に、ライナス・コーポレーション(Lynas Corp. Ltd)という、タンタルを含むレアメタルそしてレアアースの探鉱・開発会社がある。このライナスを最近、中国の国営非鉄金属鉱山会社(China Non-Ferrous Metals Mining(Group)Co.,Ltd=CNMC)がその支配下に置いた。
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中国が買収したのはそれだけではない。2月には豪州のレアメタル会社アラフラ・リソーシス(Arafura Resources Ltd)の株式25%を、やはり政府系の東中国探鉱・開発公社の傘下にある江蘇東方中国非鉄金属投資会社(Jiangsu Eastern China Non-Ferrous Metals Investment Holding Co.,Ltd=JIH)という長たらしい名前の会社が2400万豪ドルで取得することで合意した。
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さらに、世界の鉱業界を驚かせたのは、年6月、中国の投資会社China Investment Corporation(CIC)が、カナダの大手鉱山会社で、亜鉛では世界1位のテック・リソーシス(Tech Resources Ltd)の株式約17%を15億ドルで取得したことである。
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中国が高度経済成長を続け、世界の工場としてレアメタルを大量に消費するとすれば当然の国家戦略かもしれない。しかし問題は、中国による寡占支配が進み、供給と価格がコントロールされることである。すでに、去る6月23日にはレアメタル、レアアースの輸出規制に対して米国とEU(欧州連合)がWTO(世界貿易機関)に提訴した。
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2007年10月に行われた第17回中国共産党全国代表大会において、胡錦涛国家主席が、その活動報告の冒頭で、胡政権が抱える「困難と課題」を列挙したが、第1番目に資源を挙げた。次いで環境、そして格差の問題であった。社会保障、所得分配、教育医療といった民生分野はその次であった。
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2009年6月、イタリアのラクイラで行われた主要8カ国(G8)サミットの終わりに、バラク・オバマ米大統領は会議を総括して、1つの重要な結論を述べた。 「これから中国、インドそしてブラジルのようなメジャーパワー抜きで、グローバルチャレンジをどうにか解決できると我々が考えることは間違っていると、私には思える。世界経済における、これら新興国によって果たされる役割が大きくなりつつあることが明白であると考える時が来たのだ」
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中国は、世界一のレアメタル、レアアースメタル資源を持っていても外国にあれば取りに行く。自国の資源は輸出規制でグリップをしっかり強めながら。 例えば、電気自動車用のバッテリーとして世界で開発競争が激しくなっているリチウムイオン電池に必要なリチウム。中国ではチベット自治区に発見され、世界の埋蔵量の10%に相当し、将来とも自国に必要な量は保有しているはずだ。 それにもかかわらず、世界の50%のリチウム資源を保有し、そのほか未開発のメタル資源も多いボリビアに急接近し、探鉱・開発協定を結び、資金供与を決めている。やすやすとチベットにあるリチウムを安く供給してくれることはないはずだ。
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ハイブリッド車や電気自動車、ハードディスク、携帯電話、そしてCDプレーヤーなどの小型モーター用永久磁石を作るために必要なディスプロジウムそしてカラーテレビの赤色蛍光体に必要なイットリウムなどは、中国南部のレアアースメタル鉱床に依存している。中国以外からの供給が急務である。
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以上のように、中国の国家戦略に基づく資源囲い込み戦略のしたたかさには驚かされるばかりである。昨年2月に発売した拙著『メタル・ウォーズ』(東洋経済新報社)のサブタイトルが、「−中国が世界の鉱物資源を支配する−」となっている。内情を明かせば、出版当初、筆者は少々大げさではないかと思っていたが、実際はその方向に進んでいるのである。しかも、このたびの金融危機と世界経済が低迷している時にである。
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タンタルというレアメタルがある。携帯電話、DVDプレーヤー、パソコン、デジタルカメラ、ゲーム機、液晶ディスプレーそして通信機器といったエレクトロニクス関係のキャパシター(蓄電装置)などで使われている。 タンタルを用途別にみると、55%がエレクトロニクス、20%が特殊合金、残り25%が特殊化学品その他となっている。 2008年の世界におけるタンタル生産は、豪州30%、ブラジル14%、モザンビーク13%、モザンビーク以外のアフリカ24%、中国8%、カナダ4%、ロシア3%、合計生産量はタンタル酸化物として430万ポンド(約1952トン)であった(出所:USGS=アメリカ地質調査所)。
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タンタルというレアメタルがある。携帯電話、DVDプレーヤー、パソコン、デジタルカメラ、ゲーム機、液晶ディスプレーそして通信機器といったエレクトロニクス関係のキャパシター(蓄電装置)などで使われている。 タンタルを用途別にみると、55%がエレクトロニクス、20%が特殊合金、残り25%が特殊化学品その他となっている。 2008年の世界におけるタンタル生産は、豪州30%、ブラジル14%、モザンビーク13%、モザンビーク以外のアフリカ24%、中国8%、カナダ4%、ロシア3%、合計生産量はタンタル酸化物として430万ポンド(約1952トン)であった(出所:USGS=アメリカ地質調査所)。