「初音ミク」をはじめとするニコニコ動画上のコンテンツ協働制作に関する考察 - 0 views
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・一点目は「組織形態」(既存のハイアラーキー型組織とは異なる、ネットワーク型の組織形態)、・二点目は「生産される財の性質」(既存の工業製品=ハードウェアとは異なる、「常に製品の質を改善できる」というネットワーク・ソフトウェアとしての性質)、・三点目は「財の所有形態」(既存のプロプライエタリ型の所有形態とは異なる、フリーorオープン型の共有形態)、
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ニコニコ動画上において、もはや人々は、個々人ごとにばらばらな《主観的》な評価基準によってコンテンツを評価していないのではないか、と。少なくともニコニコ動画というコミュニティに参加するユーザーたちは、ほとんど《客観的》と呼べるほど明確に通有された評価基準――「それが『祭り』をもたしてくれるのかどうか」(*4)――を確立しているのではないか。
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ニコニコ動画上で共有されているコンテンツの評価基準は、そのコミュニティにおいてのみ通用するという意味で、――H.A.サイモンの言葉をもじるならば(*6)――「限定客観性 Bounded Objectivity」とでも呼ぶべき性質を有しているからです。