米グーグルのオープンな携帯電話用OS「Android」と比べても,iPhoneのモデルは家庭用ゲーム機のモデルに似ている。アップルは,エミュレーターなどを含む開発キットを無料で配布しているが,実際にそれをiPhoneにインストールしたり,App Store経由で売ったりするには,別途iPhone開発者プログラムへの参加を要求している。参加費用は99ドルと安いが,アップルの審査を通らない限り,実際のiPhoneにインストール可能なアプリケーションを作れない。
審査という段階を設けることで,アップルは悪質なソフトを防ぐだけでなく,iPhone用アプリケーションの質を一定以上に保てる。その結果,iPhoneの製品としての体験も損ねないようにコントロールできるのだ。
ゲーム機と違って,iPhoneにはコントローラーはないものの,ゲーム開発者はタッチパネルや加速度センサーを巧みに使って,ソフトを開発している。実際,iPhoneのゲーム機としての可能性を高く評価する開発者も多い。ネットワーク機能を最初から内蔵していることもゲーム機としてのiPhoneが持つ優位だ。ソフトをカートリッジなどの物理的なパッケージで流通するのではなく,インターネットから直接販売できることも大きな強みである。